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調査官から修正申告を勧められたが、どうしたらよいか?

調査官から修正申告を勧められたが、どうしたらよいか?

税務調査を受けて、最後の日において、

 

調査官から申告書の誤りを色々指摘された場合に

 

「これらについて修正申告をしてください」と言われることがあります。

 

このことを昔は「修正申告の慫慂(しょうよう)」と言っていましたが、

 

今は「修正申告の勧奨」と言います。

 

 

修正申告とは、税務署長から更正を受ける前までに、

 

以前に提出した申告書に誤りがあった場合(利益や税金が増える、

 

還付額が減るといった誤りのみ)に、

 

自分で間違えたところを訂正して再度税務署に申告書を提出するという

 

申告のことをいいます(通法19)。

 

 

ちょっとおかしいと思いませんか。

 

税務署長から更正を受ける前までに

 

という文言です。

 

調査官が税務調査にやって来て、

 

誤りを指摘された時点で更正を受ける直前状態になっているのです。

 

あとは税務署長に報告するだけみたいな。

 

自分で誤りに気づいたわけでもなく、

 

調査官によって誤りを指摘されているのです。

 

つまり申告書の間違いが自分で直す前に

 

税務署長に見つかってしまった状態になっているのです。

 

そうした状況にもかかわらず、

 

調査官から「間違いがありますね、税務署長が更正をする前に

 

修正申告を出しましょう」と修正申告の勧奨をしてくるのです。

 

 

調査官だったら税務調査で帳簿やら資料をあれこれ確認して

 

ようやく見つけた納税者のミスを

 

「わたしは、税務調査でこんな申告ミスを発見して追加の税金を

 

取ってきました!」と

 

上司にアピールすれば何らかの評価を得られるはずなのですが、

 

それをせずに申告ミスをわざわざあなたに知らせて

 

「修正申告しましょうよ」などと

 

言っていたのでは、手柄をみすみす見逃しているようなものです。

 

 

なぜそのようなことをするのでしょうか。

 

別に調査官は手柄を捨てているわけでも、

 

出世を諦めているわけでもありません。

 

 

あなたのところに税務調査に行った後に、

 

あなたが修正申告をすれば、

 

ちゃんと税務署内ではその調査官の手柄になっています。

 

だったらどうして修正申告を勧めるのか。

 

 

それはそっちのほうが楽だからです。

 

もしあなたが修正申告を拒んだ場合、

 

自動的に税務署長の更正処分の手続きに移ります。

 

これが手間かかるらしいのです。

 

まず、修正申告を拒んだ納税者に対して、

 

税務署長から更正通知書で発行する必要があります。

 

この更正通知書には、

どのような根拠をもって更正したかという理由を

 

書かなくてはなりません

 

(これを理由附記といいます)。

 

理由附記は、単に書いてあるだけでは認められず、

 

判例によると次のように判示していました。

 

「帳簿書類の記載自体を否認して更正をする場合において

更正通知書に附記すべき理由としては、

単に更正にかかる勘定科目とその金額を示すだけではなく、

そのような更正をした根拠を帳簿記載以上に

信憑力のある資料を摘示することによつて具体的に明示することを要する」

〔最高裁昭和60423日 昭和56(行ツ)36 民集 第393850頁〕

 

結構詳しく書かないといけないようです。

 

納税者にとっては、

 

その理由附記を元に不服申し立てや訴訟で争うときの根拠となります。

 

よって税務署長としては、

 

しっかりと調べて理由附記しなればならなくなります。

 

また、理由附記が不十分である場合には、

 

裁判で課税処分が取り消されてしまうこともあります。

 

ひいてはその担当調査官やその税務署内の職員の

 

仕事が増えるというわけです。

 

だから、調査官としては修正申告を勧めてくるわけです。

 

 

調査官の事情はともかく修正申告の勧奨を受けた場合は、

 

修正申告をするのも、更正の処分を受けるのも納税者の自由です。

 

 

修正申告のメリットは、

 

・税務調査を早く終わらせることができる

 

・多少の交渉の余地ができる

 

 

修正申告のデメリットは、

 

・調査官の指摘に不服があっても、異議申し立てや

 

 国税不服審判所へ審査請求、訴訟をすることができなくなる

 

 (ただし更正の請求はできる)

 

 

デメリットは何をいっているのかというと、

 

要するに修正申告をしてしまうとあとで文句を言えなくなってしまうのです。

 

よって、調査結果の内容の説明に納得がいかない場合は、

 

修正申告をしたらまずいのです。

 

納得がいかない場合は、修正申告の勧奨をつっぱねて更正を受けて、

 

その後に、税務署長等に対する再調査の請求又は

 

国税不服審判所長に対する審査請求を行って

 

納得いかないことを主張しなければなりません。

 

一度修正申告をしてしまえば、

 

たとえ納得いかないことがあっても再調査の請求、

 

審査請求をすることができなくなります。

 

 

このような事情から調査官から修正申告の勧奨を受けたとしても、

 

特に何も考えないまま修正申告に応じてはいけません。

 

だからといってなんの根拠もなく

 

頑なに修正申告を拒んでも賢いとも言えなせん。

 

修正申告をしないとなると更正処分となり、

 

そのまま更正を受け入れるのか、それとも再調査の請求、審査請求を

 

どうするのか検討する必要があります。

 

調査官も手間がかかったりしますが、

 

同時に納税者であるあなたにも手間がかかったりします。

 

 

どうしても迷うのであれば、

 

修正申告の勧奨を受けたときに修正申告をするか否かの検討をするので

 

考える時間をほしいと要求するのも一つの手です。

 

数日ぐらいなら待ってくれるはずです。

 

 

ただ、調査官の指摘に間違えがなく、

 

税務調査の理由説明に納得できるのであれば、

 

すぐに修正申告をして不足税額を支払い、

 

それに係る加算税や延滞税を払うことにより、

 

一連の税務調査を終えることができます。

 

 

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