企業に船頭は二人も要りません。
独立開業するとき、友人や元同僚などと誰かと一緒に独立するケースもたまに見受けられます。これがいけないと言っているわけではありません。
だれかと一緒に独立開業するそれはそれでよいことです。
とにかく開業当初は本業だけでなく様々な雑務に負われることとなるので、人手はいくらあっても足りないくらいです。
ただし、どちらかが上かははっきり決めておかねばなりません。
独立開業のパートナーとして考えられるのは、友人、親族、元同僚、取引先の人などが考えられますが、気恥ずかしさや遠慮からか「どちらが上司かなんて決められないよ。私たちは共同パートナーだから」などと、ギクシャクするのを避けるかのように曖昧のままに上司を決めずにいるのが一番いけない。
命令系統が一本に定まっていないと社員たちは誰に従ったらよいか混乱してしまいます。
それに共同経営者の経営方針が食い違ったとき、それぞれ勝手に動き出してしまうか、お互いを説得できずに動けなくなってしまうというパターンになってしまいます。
肩書きだけもよいので「社長」と「副社長」もしくは「社長」と「専務」のように分けたほうがはっきりします。
どう考えても、副社長より社長のほうが上だとはっきりわかりますから。
ただし、代表取締役はひとりに絞ってください。
最終的な判断は誰が下すのか。誰が会社に全責任を負うのか。
これさえはっきり決めておけば共同経営は磐石です。
個人的な意見としては、それぞれが会社を作って社長になり、企業提携して運営するという方法も考えられます。
これならばはっきり上司を決めることもありませんし、意見が食い違ったとしても企業提携を一時解除すれば済む話ですし。
いくら上司を決めたとしても意見が食い違って、社内の雰囲気が悪くなるのも考えものですし。
今では資本金を1,000万円もいらないので、ひとりひとり別々の会社を持つことも不可能ではありません。共同経営される方は、このような方法があることも検討してみてはいかがでしょうか。