ざっくりと、年商が1,000円を超えたら法人が税金的に有利だという意見があったりするが、本当にざっくりすぎてよくわからない。
また、年商から経費を引いた利益額が290万円を超えたら、法人のほうが有利であるという意見がある。
これは前提として、法人にした状態で社長の給料を290万円にして、法人の利益を0円にした場合、企業として支払う税金は法人にしたほうが個人事業者で行うよりも多少安くなるというものだ。
基本的に、個人事業者としてもらうお金と法人で給料としてもらうお金では、税額の計算方法が異なる。個人事業者がもらう利益の290万円にはそのまま税率がかけられるのだが、給料としてもらうお金には、290万円から給与所得控除という所得控除後の金額(この場合だと185万円)に税率がかけられるのである。
個人事業者 290万円×10%-97,500=192,500円
法人で給与(290万円-105万円)×5%=92,500円
また、利益290万円であるという理由は、個人事業税が利益290万円までは税金がかからないが、これを超える分だけ3~5%(ちなみに建設業は5%)の税金がかかるである。
法人にも法人事業税というものがあるが、利益が0の場合はかからないのである。
机上の計算上では、給与所得控除の点でどうしても節税面では、法人が有利となるのだが、なかなか利益のすべてを社長の給与とすることは難しいのである。
基本的に社長の給与は事前に決めておく必要があり、その金額は毎月一定でなければならないのである。途中で給与の額を変更することはできない。してもいいけど、変更した金額は経費として認められないのである。
よほどしっかりとした経営計画の下、予算管理を行わない限りは利益のコントロールできないのである。
よって、節税の面だけではなく、他の観点からも検討することをおすすめします。