粗利益(あらりえき)の本来の名称は、売上総利益といいます。
つまり、粗利益(又は、単に「粗利」ともいいます。)は略称です。
売上総利益とは、売上から仕入を引いた利益のことです。
たとえば、
10,000円で仕入れた商品を13,000円で販売したとすると差引きの利益は、
2,000円となります。
この差引きの利益2,000円が、粗利益(売上総利益)というわけです。
単純に仕入れた金額と売上げた金額の差額であり、
そこには人件費、家賃、水道光熱費、事務用品などの
一般経費は含まれていません。
ざっくりとした利益であるので、粗利益というのかもしれません。
このようなことから、
粗利益が赤字(マイナス)になるということはよっぽどのことです。
たとえば、粗利益がマイナス2,000円となった場合、
10,000円で仕入れた商品を8,000円で販売してしまったということになります。
商品を販売して利益が出ないというのは、
商売として成り立っていないことを意味します。
ちなみに、
建設業ではこの売上総利益(粗利益)のことを
完成工事総利益といいます。
完成工事総利益とは、
完成工事高から完成工事原価を差し引いた金額のことをいいます。
完成工事高工事による売上高のことで、
完成工事原価は仕入高のことですが、
建設業の仕入高は、原材料、外注費などの直接工事にかかった費用が
該当します。
建設業の場合、
同じ仕入といってもそのなかには、
材料費、外注費、廃材処理費など様々な項目が含まれたものとなっており、
1つ1つの現場についてしっかり経理処理や原価管理をしていないと
粗利益がマイナスになってしまうことがあったりします。
現場数が少なければまだ把握は容易ですが、
現場数が大きくなればなるほど管理が難しくなってしまいます。
原価割れ(粗利益のマイナス)という事態を発生させないためにも、
建設業は現場ごとに工事原価についてしっかり管理しなければなりません。