経営者のふるさと納税の使いかた
名古屋市北区の税理士 太田啓之です。
11月になりました。
この時期になると、今年の所得がだいたい予想がついてくるのではないでしょうか?
というわけで、ふるさと納税を考える季節となってきました。
去年のわたしは、タオルとティッシュと本みりんと日本酒の杯などを
ふるさと納税の返礼品としていただきました。
完全に生活重視のラインナップです。
ふるさと納税は今年1年の所得を予想しながら行わないと
逆に損してしまうので、
自然と手続きが年末になってしまいます。
そのため去年は慎重に慎重を重ねて
12月の下旬ごろになって慌ててふるさと納税を行ったため、
締め切られているものや品切れになっているものがあったりして、
なかなか欲しいものを手にすることができませんでした。
ところで、ふるさと納税でこんな話を聞きました。
病院を経営している医者がふるさと納税をして、
返礼品としてお米をもらいました。
ここまでは一般的な話ですが、
その医者はそのお米をそっくりそのまま自分が経営している病院で
出す入院食か何かに使ったそうです。
その医者は高収入で納税額も多いため、
多額のふるさと納税をすることが可能であったため、
返礼品をお米一本に集中したところ、
当然のことながら大量のお米を手にすることができ、
病院で購入するお米代が浮いてさらに利益を稼いだということです。
病院で提供する食品にふるさと納税でもらったお米を提供してよいのか
法律上どうなっているのかは、わかりませんが経営的に参考になります。
会計上の観点で見ると、
この医者はお米の購入費用という固定費を減らして、利益を出したといえます。
しかも、お米代はふるさと納税の返礼品なので無料。
企業経営は、いかに固定費よりも多くの粗利益額(売上高から変動費を引いた額)を
稼いで、その差額である利益を出すことにあります。
利益を増やす方法は、なにも売上高を上げることばかりではなく、
固定費を減らすことでも増やすことは可能であると
この話は教えてくれています。
別にふるさと納税の返礼品を事業に使いましょうという話ではなく(使ってもいいですが)、
まだふるさと納税をされたことがない方は
チャレンジされてみてはいかがでしょうか。
今回、意外とふるさと納税をされたことがないという経営者の方が多かったので記事にしてみました。
ただ、返礼品を法人で利用する場合は、
場合によっては受贈益が発生するかもしれませんので注意は必要です。
(最終更新日:2022/11/01)