固定金利と変動金利どちらがお得なの?
「固定金利」と「変動金利」と聞くと、
個人で借りる住宅ローンを連想される方も多いかもしれません。
しかし、事業性融資でも「固定金利」と「変動金利」の2種類があり、
証書貸付だとどちらかを選択できる場合が多く、
それを知らない経営者の方もいらっしゃるかもしれません。
事業性融資での「固定金利」「変動金利」を知り、
広い選択肢の中で金融機関に融資相談をしていただけるよう、
ぞれぞれの概要とメリットデメリットについてご説明します。
固定金利は借入時に決めた利率が完済まで変わらないもので、
世の中の経済情勢等に関わらず、常に一定の利率が適用されていきます。
・メリット … 金利が一定なので安心。世の中の金利が上昇した場合に有利。
・デメリット … 変動金利に比べて利率が高い。世の中の金利が下降した場合に不利。
繰り上げ返済(完済)時に違約金がかかる場合がある
(最近は変動金利でもかかる場合もあります)。
上記の通り、
固定金利は繰り上げ返済(完済)時に違約金がかかる可能性があるのが
大きなデメリットになります。
違約金は返済元本に対しパーセンテージで計算されることが多い為、
返済金額が大きいほどインパクトが大きくなります。
固定金利を検討している場合は、
あらかじめ借入をする金融機関に確認をしましょう。
たとえば、繰り上げ返済違約金が
返済元本の2%で1億円繰り上げ返済した場合は、
200万円の違約金発生してしまうことになります。
変動金利は一定の基準に従って利率が変わっていくもので、
一般的には短期プライムレートやTIBORレートを基準にして利率が変動してまいります。
ちなみにプライムレートとはそれぞれの金融機関で決めている、
優良企業に対して資金を貸し出す際に適用する最優遇貸出金利のことで、
貸出期間が1年未満なら短期プライムレート、
1年以上なら長期プライムレートに分けられます。
・メリット … 固定金利に比べて利率が低い。
世の中の金利が下降したときに金利が下がるので有利。
・デメリット … 金利が一定でないため不安。
世の中の金利が上昇したときに金利が高くなるので不利。
・証書貸付→固定金利と変動金利で選択可能
(商品によっては選択できない場合もあります)
・手形貸付→固定金利
(返済期間が1年以内と短い為、固定金利が基本になります)
・当座貸越→変動金利
(変動金利としている金融機関がほとんどです)
証書貸付は固定金利か変動金利で選択が可能ですが、
変動金利の方が利率が低い為、
金融機関担当者は変動金利で提案してくることがほとんどで、
こちらから希望を出さない限り、固定金利で提案が来ることはほとんどありません。
固定金利と変動金利の金利差なども金融機関によって様々ですので、
比較のためにも声掛けしてみても良いかもしれません。
固定金利と変動金利の話になると経営者の方から、
「固定資金と変動資金どちらで借りるべきなの?」と
質問を受けることもありますが、
残念ながらどちらが正解ということは一概にはいえません。
「固定金利」・「変動金利」それぞれにメリットとデメリットがあり、
経営者の方の考え方によって選択が違ってきます。
例えば固定金利で金利変動を無くして安心して経営をしたいという方もいれば、
変動金利を選択して少しでも金利を抑えたいという方もいらっしゃいます。
それぞれのメリットデメリットを天秤にかけたうえで、
どちらを選択するか検討いただければ幸いです。
固定金利と変動金利は、
それぞれ銀行の担当者に聞けばそれぞれ利率を教えてくれるそうです。
複数の金融機関と取引があるのであれば、
それぞれの利率を確認して、有利な条件で借入れを行った方がよいでしょう。
(最終更新日:2024/1/26)