社員を表彰するなら、全社員の前で
名古屋市北区の税理士、太田啓之です。
12月師走です。
なにかと慌ただしい時期です。
そして、なんといっても今月は忘年会シーズンです。
特に社長ともなると得意先や同業者、様々な経営者の会などのつきあいで、
あちこちの忘年会に顔を出すこともあるでしょう。
また、自社でも忘年会も行っているところも多いかと思われます。
今回は、ただ飲み会をやるだけではもったいない、
この楽しい席を利用して、会社を活性化させるヒントをお伝えします。
せっかく会社が主催して会を開くのですから、
ただ社員との懇親会だけで終わるのは、
実にもったいない。
全社員が一同に集まるのですから、
その場を利用して社員を表彰されてはいかがでしょうか。
勤続何十年の表彰や、
今年の営業成績のよかった社員、資格取得、結婚、出産のお祝い……何でもかまいません。
ただ単に、銀行振込でお祝い金を渡しても、それはそれで喜ばれもしますが、
それではあまりにもインパクトが少ない。
全社員の前で、社長から表彰されて、
なおかつ、直接お祝い金を贈られ、他の社員の方から拍手喝采を受けたら
その社員にとって、たいへん印象深い思い出となります。
しかし、この表彰の本当の狙いは、表彰される社員ではなく、
それを見ている社員です。
たとえば、勤続10年の社員が表彰されて金一封をもらっている姿を見せられれば、
「10年勤務すれば、俺も表彰されてお金が貰えるのか」と思い、
あと数年がんばろうとやる気を持ってくれるかも知れません。
活躍した社員が表彰され賞金を受け取り、
他の社員から拍手喝采を浴びているのを見れば、
「来年は、自分があの場に立つぞ!」と
意欲を持って仕事に取り組んでくれるかも知れません。
社長は「うちの会社でがんばってくれたら、ちゃんと評価しますよ」と
いうことを社員にアピールできる絶好の機会です。
ただ年1回の忘年会で表彰しても年が明けてしまえば、社員はすぐに忘れてしまいます。
そのためになにをどうしたら表彰されて金一封がもらえるのかを
社員に伝え続ける必要があります。
そこで役に立つのが、経営計画書です。
経営計画書に評価の基準を書いて、定期的に読ませるようにすれば、
忘年会で社長が社員を表彰したシーンを社員の頭に呼び戻すことができます。
表彰の基準を明確にしておけば、あの社員は表彰されているのに、
自分はまったく表彰されないという不満を押さえることもできます。
不満を持つ社員に対して、
「ここの経営計画書に書かれている基準を満たしていないから、表彰はできないのですよ」と
言うことができるのです。
この方法なら口下手な社長でも、経営計画書のページを開いてみせれば
それで説得することができます。
これが明文化の力です。
実際のところ、懇親会で社員の表彰を行っている社長は多いと思います。
しかし、お祝い金がもらえる表彰基準が書かれている書類がある会社は少ないでしょう。
まして、それが常に社員が見ることができる状態になっているところは
ほとんどないのではないでしょうか。
それではあまりにももったいない。
表彰制度は、すべての社員が知っていなければ、その効果が期待できません。
この機会に、表彰制度の書類による公開を検討してみてはいかがでしょうか。
(最終更新日:2022/12/21)